2008.3.23 おやじ東京2008 シンポジウム

脇山会長から取組みに対する考え方

モンスターペアレンツについては、行政や学校から語りかけるのは難しい。
さりとてPTA は会員に抱えているので根本的な解決にはならない。
おやじ東京には子どもが高校生大学生になっている会員がおり、OB で意識が高いので取り組みやすい。

行政も港区のように紛争解決の体制は取れても、日頃からの取り組みはできない。

今日お集まりの皆さんとの話し合いの中でひょっとすると糸口得られてくるのではないかと思う。更に東京都と一緒になって取り組むことにより、全国に発信していこうと思う。

今日も来ていただいていますがマスコミからの取材も受けています。

マスコミに取りあがられることにより、困った時にこうして議論されていることが分かり、一緒に考えることができる。

今日結論がでなくても、皆さんがこうして議論していると言うことを広めていただ ければと思い催しました。保護者のほか先生、青少年委員の方々が参加してくれています。

シンポジストより

シンポジスト紹介

町田市青少年委員  田中 郁子さん

東京都小学校PTA 協議会会長  新谷 珠恵 さん

町田市立堺中学校校長  武内 愛樹 さん

世田谷区立駒沢中学校教諭  草開 宣晶 先生

保険会社社員(おやじ東京副会長) 石橋 昌祐 さん

コーディネーター  明治大学教授 諸富祥彦 先生

(諸富)

これから進めてまいります。始めに各シンポジストから発言をお願いします。

給食費未納者を一掃した取り組み

(田中)
小中のPTAに12年間関わった。PTAでは、人の関係を作ること、子どもたちにより良い環境を作ること、様々な課題に保護者地域のコミュニケーションの中で解決することを基本に活動した。
青少年委員と紹介されたが、PTAで学んだことを中心にお話します。
話題になった給食費の未納について取り上げます。
児童数600余名の学校で未納が70万円を超えていた。
おかずが減ったりした。払えないのでなく払いたくない親が多く、先生が訪ねても効果がなかった。
そこで保護者が持ち回りで集金すると、わがままな未納者も自分勝手なことが言えなくなった。
現在の町田市では未納には訴訟も辞さないという方針だが、批判するわけではない。
自分勝手な保護者が歩み寄った例を話します。
月1回の保護者会で集金方法を変える提案をした。
未納者の名前の発表や学校の強い態度を求めるなどの意見が続出した。
全保護者に通知を出した。
未納者の発表には、学校が警察のようになったり子どもを人質に取ることになるなどの説明をして回避。
手集金にするには課題も多かったが、まずは始めることとした。
みんなで考えた方法になってきた。
未納者を孤立化させないことも大事。
双方向のもコミュニケーションが大事。
上から押し付けない。
反対意見も遠慮なく言ってもらう。
PTAだから良かった面がある。
行政からだと上からの強制になるが、話し合いの中で解決ができた。
おやじの会も、おやじの会だからできることがあると思います。

(諸富)
PTAが取り組んだが、抵抗する人は出てこなかったか。

(田中)
何故私達がと言う声はあった。
学校がもっと集金すればと言う声もあったが、話し合いで理解を得た。

PTAから見た最近のモンスターペアレントの傾向と対策

(新谷)
2,000人のアンケート調査したがその中に給食費未納もある。
学校が毅然とした具体策を取るべきが69.9%、法的に厳しく対応するが55.4%。子どもに給食を食べさせるかについては、食べさせるべきは15%、食べない子どもがいても仕方がないは13.1%、給食費は払わなくても良いがごくわずかあった。
モンスターペアレントについても聞いた。
親として学び育つ場が必要が57.6%、子どもがかわいそうが30.6%、保護者同士のコミュニケーションが必要が30.2%、他の保護者が迷惑しているが22.2%、学校が厳しく指導すべきと言うのが21.8%、一部の人のことで関係ない5.6%、ごく少数に当然の行動だというのもあった。
全体として、初めからモンスターはいないので学校もそうした親のことを考えてほしい。
色々な事例を通して考えたのは、大きく二つに分け普段は立派な人、こと我が子の事となると変わってしまう人がいる。
パターンとしては、母子一体型、子どもが可愛くて仕方ないと優しさと甘やかし、子ども中心主義と我がまま、自由尊重と放任の混同している方、例えば子どもが傷つくからテストで赤い字で×をつけないでとか満点をとれる試験をと言う人、サンオイルを塗ってプールに入れろという要求をする親もいた。
先生の携帯に毎日細かなことを訴える親、遠足当日、体調が悪いので疲れたら先生が背負ってと言う親もいる。
いじめの加害側の児童を指導したら、いじめて何が悪い、いじめられて死ぬより良いではないかと主張した人もいる。
他人の笛を持って帰った子、探しても自分の笛が見つからないので、これを自分のものにしなさいと名前を書き換える親も見た。
子どもが良心の呵責に耐えかね先生に話して分かった。
授業参観の後ことごとく文句を言う親もいる。
これらの背景には、幼稚化している、自立していないのがある。
母子一体で子どもが叱られると自分が叱られたと思う、子どもを疑わなくて子どもの言葉を鵜呑みにする母親もいる。
企業理念を学校に持ち込む父親がいる。
「何日までに文書を出せ。」と要求。
お蔭様お世話になりますの消滅がある。
子どもに先生の悪口を吹き込む親もいる。
教育基本法の改正により、子育ての第一義的責任は保護者にあるとされた。
この意味が大きくなってくる。
パソコン親父が増えている。
ブログに学校の誹謗中傷を書き込むのが増えている。
父親にはよいリーダー、おやじ東京にはそうなって欲しい。
保護者同士で不満を吸収し合い話し合いができる雰囲気を作っていきたい。

(諸富)
夫婦仲が悪いと言うケ‐スはないか。

(新谷)
以前は母親に言われてと言う父親が多かったが逆なことが多くなってきた。

クレーマーは親とは限らない

(武内) 町田と言っても、八王子に近い60 周年を迎えた学校。人口が増えており、生徒数は580 名、来年は640 名になる。
5 年連続研究推進校となっている。
昨日は境おやじ会でスポーツ、ソフトバレーを100 名くらいで行なった。
10年位前からさまざまな活動をしてくれている。会長はPTA の副会長にもなり活動しやすくしている。特別なクレームはない。
小さなものはあるが、組織として対応ができていることが良いのではないか。
基本は保護者の話を聞く、学校に来てもらい話を聞くだけでなく訪問することもある。
スピーディーな対応も大事。教員一人だけでなく対応するようにしている。
クレームは地域からもある。
落ち葉、落葉樹を周りではなく校庭の真ん中に植えろ、葉の落ちない木にしろ、箒を支給しろ、掃き掃除で腱鞘炎になったなどがある。
修学旅行の件で、未納の子が来ないと思っていたが本人が駅に来た。校長判断で参加した。
結果はよかったが波紋はあった。卒業後に払ってもらった。
子どもへの対応と保護者への対応はやはり異なると心得て対応している。

(諸富)
おやじの会の活動で一番嬉しかったのは。

(武内)
お父さんの参加が増えているのが良かった。
子どもはお父さんの良いところを実感していた。
母親が来るのには慣れているが父親が来てくれると変わる。

教師から見た最近のモンスターペアレントの傾向と対策

(草開)
慣れていないので立って話します。
今日の私の使命は、学校で働いていてこんなことで悩んでいると言うのを伝えることと思う。
一般社会でのことと学校でのことは結構違う面がある。
例えば携帯電話だが、教師は小中学生には持たせたくないが、あんな便利なものを持たせないとはという親もいる。
学校の生活指導上では何も問題なくとも、夜メールで死ねとかうつ。
料金で問題にもなる。
生活指導した生徒の父親が、「先生は子どもの心の浸透圧を計っていないのではないか」と主張。
意味は、よいことも悪いことも自分の時代には関わってくれたが今はそうではないのではないか、ということです。
構わないから子どもがついて来ないのではないかということです。
これも誤解があり、かまっていることは多い。
倫理感のない多数決と言うことが言われるが、よい授業をしていると評価されるクラスで、しかしひとたび力関係が変わると無茶苦茶になる。
こういう話をしないと自分たちの時代と異なることが分かってくれない。
自転車通学でも、それ自体が悪いと言うこととは別に、学校が決めたことを守らないことに問題がある。
先輩が乗ってきているのを見た下級生は、学校の先生は何だ、見てみぬ振りをするのかになる。
ある学校に赴任した時に、旧知の地域の人から、問題があっても学校は見ぬ振りをしているといわれて考えた。
そこで登校指導を始めたが、威圧的にならぬよう掃除しながらのようにした。
次に注意の張り紙をした。「自転車通学者へ、ご近所の迷惑です。
やめなさい」文面に苦労した。
なくならないので次に、「防犯番号を控えています、やめなさい」とした。
最終的には、地域・保護者と学校が協力している姿を見せるのが大事と思った。

(諸富)
できる先生の代表ですね。
日本の教育は破壊ばかりで良いものを残していないと言われているが、何を残したら良いでしょうか。

(草開)
現場の実践の中でよかったもの、みんなゼロから始まることになるが真ん中があっても良い、いつもゼロからなのでなく文化の構築をして欲しい。
今は昭和30年代の文献を読み返したりしている。

(諸富)
とても賛成です。日本の学校の一番良いのはチームワークだったと思いますので、そうしたことを残して欲しい。

民間でのクレーム対策との比較とおやじの会

(石橋)
保険会社26年、クレーム、いわば示談係です。
やくざの事務所に行って何で? と思うこともあった。
事故はトラブルですからうまくいけばもうけものと考えないとできない。
最近はちょっとした言い違えなのに社長に手紙を書いたり金融庁に伝えたり、あるいは議員を使うなどと言うことが多くなった。
顧客からの声は全件入力して社長まで見るシステムを作っている。
顧客の声を大事にしている。
1件1件アンケートを取り、公開している会社もある。
その点学校はどうかと考えると工夫の余地はあるかと思う。 おやじの会の話に移るが、何故入ったかというと、自分が父親から受けた物差しでしかものを見れなかったことが、おやじの会に入り物差しが長くなった。
クレーマーの方は物差しが短いのではないかと思う。
学校の草取り、全国のカップラーメンを集めて文化祭に出たり、仕事のことを話す授業を開いてもらったりとても有意義であった。
自分の母校は大事だが、子どもの学校も第二の母校と誇りに持てる。
来年度は父親が学校に来る機会を増やそうと思う。
今年のおやじ東京は今日のテーマを1 年間取り上げていくことになっている。
どんな方向に行くか全くわからないが、諸富先生に指導を受けながら取り組んでいきたい。

(諸富)
仕事で培ったクレーム対応の知識を学校にどう生かせるか。

(石橋)
情報の開示と共有、現象面だけでなく原因の追究が大切。
ある問題だけでなく、共通した原因があるのではないか。

参加者との討議

(諸富)クレーム対応に追われ、その場だけでなくクレームの背景まで考えていないのでは。

(武内)
小さなことは先生一人ということもあるが、先ほどの携帯のこと等では学校全体で取り組んでいる。

(諸富)
やっていないのではなく意外にやっているということですね。
ここからフロアーとやり取りしていきたい。先ほどの隣の人と聞いてみたいこと、意見を言いたいことを話してください。

(質問)先生の能力

両先生に聞きたい。
先生がモンスターに育ててしまうことがある。
先生にコミュニケーション能力が欠けている人がいる。
副校長にそうした能力を発揮して取りもってもらいたい。
教育委員会指導課とかでも対応能力とかは話題にならないのか。

(諸富)
これを言ってはお終いという言葉が出ることもある。
具体的には?

(会場)
それは学校の仕事ではないという言い方がある。
謝ることから入ればよいと思うが、謝ると非を認めたことになると思われている。

(武内)
教育委員会でも研修がある。
学校でも行なっている。
謝罪から入るのが基本と思いそう指導もしているが守れない、感情が先に出ることもありまとまらない結果になる。

(会場)
先生の学校にクレーム対応に長けた人はいますか。

(武内)
生活指導主任とかがやはりその役である。

(会場より)おやじの出番

昨年おやじ神奈川で学級崩壊について討論会をやり報告書を作り、神奈川、東京、千葉、横浜の各教育委員会に送ったが、反応がない。
今日の会もよい内容なので直接持って行くかしないと何にもならないと思う。
おやじの会の役として仲裁に立つ、学校とPTA では解決できないことがあると思う。
例えばサッカーの顧問が勢いあまってしっかりやれとお尻を叩く、そうするとすぐ暴力だ云々になる。
そのときおやじたちが、先生がどんな思いでいるかを話し伝えるなどの役がある。
こうした中立に立つ者がいないといけない。
学校と保護者の間に立ち、役を担うのもおやじの会の存在意義であるのではないか。

(諸富)
私もそういう役があると思うしそうなると良い。

(会場より)孤立させない

田中さんに質問。
孤立をさせない、排除をしないと言うのは大変我慢強い取組みだったと思う。
更に団体として対応することにより未納者がなくなった、12 年の経験が生きたのだと思う。
移動教室に未納の生徒を参加させたというのも、否定ではなく肯定から入った良い事例と思った。
相手を認めながら、しっかり話を聞く、それで半分は解決になる、初期対応が大切なのは経験から分かる。
モンスター云々と言うのでなく田中さんのような事例を紹介することによって、皆さんが持ち帰り自分の場で頑張ってもらいたい。

(諸富)
田中さん一言どうですか。

(田中)
言いにくいことを言ってくれる人もいるし、色々な意見が違う人の意見を聞くということで、こうあったら良いなが皆で考えられていくと思いやってきた。

(会場) 昨年の運動会にモンスター母親が出た。
そのときは学校の対応は良かったのですがPTA が火をつけてしまった。
組体操に対し不衛生なので裸足はやめさせてとの申し出で。
先生は靴下を履いても良いといったが、自分の子だけ目立つので全員にしてとの要求。PTA はそうした要求はおかしいと主張。
そこで学校は全員に濡れティッシュを配り拭くようにした。
両者をうまく取り持った対応だった。
しかし当日モンスター探しが始まってしまった。
そこで少しあったが最後は収まった。
PTA の中で話し合った方が良い、あの人はうるさいから避けた方が良いとかの状況があった。
中々おやじまで来ないので、先生にうまく対応してほしい。

まとめ

(諸富)
終わりの時間が近づいたのでまとめに入ります。
田中さんから一言ずつ。

(田中)
私達母親と違う意味でおやじの力は大きいと思うのでおやじの会に頑張って欲しい。
脇山会長が書かれていますが、子どもは一人で育たない、親が姿勢を示す時と思います。 (新谷)
一つ整理する。
今日はモンスターと言うことで理不尽な要求を取り上げているが、学校に対する分からないことをきちんとしていくことは大事。
モンスターに言いたいのは、結局子どもに返ってくる、子ども自身が辛い思いをする、子どもとしては自分は解決しているのに何故親が騒いでいるのかとか、子どもの育ちや価値観に影響が出ると思う。
子ども可愛さからかもしれないが気をつけて欲しい。

(武内)
学校では、PTA やおやじの会と対応しているのは管理職が多いが、各教員もそうした場に出てコミュニケーションをとる力を養うのが大事。
教員も一人の社会人としてのコミュニケーション能力を身につける必要があると思いました。

(草開)
ここで話して肩の荷がおりた気がする。
学校で起きていることは社会の縮図なんだと思う。
社会で起きていることで子どもにも影響が出る。
流行とか。
同じ人生終わるなら楽しんで、子どもも親も教師も楽しめればなと思った。

(石橋)
始まる前の大江戸ダンスの子ども達の目がきらきらしていた。
おやじの会の活動で接する子どもの目も同じで、それを曇らせない父親や母親になりたい。
また何かおかしいと思ったときに、違うんではないかと言える大人に、お互い言える仲間たちになりたい、これが最後の捨て台詞です。

(諸富)
今日は具体的に三つのことが見えてきた。
一つ目、新谷さんが言われていたが、子どもに返ってくると言う視点がないのではないかということ、暴走している親の子は辛い、そのことを見えなくなっているのではないか。
それを伝えることが抑止力になると思う。
二つ目に田中さんが言われていた、孤立化した親が暴走する、排除しない孤立化させない話し合いが大事。
田中さんのお話にあったことが、これからのモデルになるのではないかと思います。
三つ目に、媒介者の役割、弁護士を入れているところがあるが、おやじたちが媒介者の役割を担ってくれると良い。
しかし、あまりに大変なことなので、どうおやじがやってくれるのかな、仲介者のおやじが切れては大変になるので、これから考えていかなければならない。
解決策に有効な三つのことが出た。
この会はこれから継続的に取り組むと言うので、引き続き考えて行きたい。
今日は生産的な話ができたと思います。ありがとうございました。


トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2008-09-05 (金) 00:15:06 (3216d)